おしゃべりの方で
あの人は妾の顔を見るとこう言いました。食堂ですぐ前に顔を向きあわせていたので、何か言わなければいけないと思ったのでしょう。あとでほんとうにそうだと言っていました。
妾も二時間あまり石のようにだまっていたので、何か話したくて話したくてしょうがなかった
外へ出ても妾は話しつづけていました。あの人は妾が話しかけるもんだから、仕方なしに妾についてきました。そのうちにあの人もぼつぼつ話し出しました。
「帰朝歓迎会なんていうものくらい下らんものはありませんね。あの場ではみんなが心にもなくほめちぎっておいて、帰り
こんなことをあの人が言ったのを妾はおぼえています。