安心して任せられる不動産会社

安心して任せられる不動産会社

鳩の鳴く声

一郎は自分のものは何でもひとにやることがきらひなたちでしたから、お時計の鳩が自分の年を喰べるときくと、たいへんいやな気がして、いきなりステツキで時計のつらをたゝきつけました。ちやうどそのとき十一時で時計の上の戸があくと、いつものとほり鳩が出て、ポウポウと鳴き始めました。
「ばか、僕のお年なんかたべるんぢやない、ばか、ばか。」
 一郎はさういひながら、今度はステツキで二つ三つ、つゞけて鳩をたたきつけました。すると、鳩はなくのをやめて、ポタリと床の上に落ちました。それといつしよに今までチクタクと音させて、動いてゐた時計もその振子をとめてだまつてしまひました。鳩は死に、お時計はこはれたのでした。でも一郎のお年はやつぱり、何か外のえたいの知れないものにたべられて、だんだん少くなるばかりです。いまに、「あゝ、小さいときつて馬鹿なことをしたな。あの時計をこはさずに置いたら、今でも、一時間毎に、三十分ごとに、ポウポウといふやさしい、鳩の鳴く声が聞えたものを」と、後悔するときが来ませう。

賃貸水商売賃貸水商売賃貸水商売

賃貸水商売池袋